Brush Up! 権利の変動篇

時効の基本の過去問アーカイブス 昭和57年・問3


時効の中断なり得ないものは,次のうちどれか。(昭和57年・問3)

1.「仮差押。」

2.「相続。」

3.「請求。」

4.「承認。」

【正解】

× × ×

【正解:

◆時効の中断事由

 時効の中断事由となるのは、原則として、裁判上の請求またはそれに準じる以下のものです。相続はこの中には入っていません。

◇裁判所での権利行使

・「裁判上の請求(民法147条1号,148〜153条)〔請求訴訟だけとは限らずに、裁判所の判断の対象となり判決の主文に書かれたものも含む。

  → 訴えの提起時に時効は中断。ただし,訴えの取り下げ却下があったときは時効中断の効力は生じません。(民法149条)

・「差押,仮差押または仮処分(民法147条2号,154条,155条)

  → 申し立ての取り下げや法律違反により取り消されたときは時効中断の効力は生じません。(民法154条)

支払督促をして仮執行宣言の申立て・調停の申立て・和解のための呼出または任意出頭・破産手続参加なども時効中断事由になります。

◇債務者自身による承認

・「承認(民法147条3号,156条)

  → 文書・口頭など形式を問わない。時効利益の主張と相反する行為も含む。(債務の一部弁済、利息の支払い等)

  → 物上保証人や保証人が債務の承認をしても効力は生じない。

  → 未成年者・成年被後見人は単独では承認はできない。被保佐人は単独で承認することができる。

裁判によらずに請求を行った場合は「催告」として扱われ、当面、その時点で時効中断が生じますが、6カ月以内に改めて裁判上の請求等↓を行わないと、時効は中断されなかったことになります。(裁判上の請求のほかには、差押、仮差押、仮処分、破産手続参加、和解のためにする呼出もしくは任意出頭など。)(民法153条)

 訴訟提起時ではなく、催告時に時効中断することに注意してください。

 この催告は、裁判上の請求などの措置をとるための猶予の機能、時効が完成してしまうのを防止する役割を果たしています。


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