税法その他 実戦篇

建物の過去問アーカイブス 昭和57年・問1 木造建築物の構造


木造建築物の耐震性に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(昭和57年・問1)

1.「軟弱な地盤の敷地に木造建築物を建設する場合には,布基礎を鉄筋コンクリート造とすることにより,耐震性を向上させることができる。」

2.「屋根を瓦ぶきなどの重い構造とし,床,はり,柱等を構成する構造部材の断面を大きくすることにより,建築物全体が安定し,耐震性にすぐれたものとすることができる。」

3.「仕口及び継手はできるだけ金物等で補強することにより,木造建築物の耐震性を向上させることができる。」

4.「木造建築物の壁は,構造用合板等の厚みのある面材を打ちつけたり,筋かいを設けることにより,地震による水平力に対する耐力を増加させることができる。」

【正解】

×

1.「軟弱な地盤の敷地に木造建築物を建設する場合には,布基礎を鉄筋コンクリート造とすることにより,耐震性を向上させることができる。」

【正解:

◆布基礎

 木造建築物の基礎では,布基礎が用いられることが多いのですが,布基礎を鉄筋コンクリート造とすることにより,耐震性を向上させることができるといえます。

2.「屋根を瓦ぶきなどの重い構造とし,床,はり,柱等を構成する構造部材の断面を大きくすることにより,建築物全体が安定し,耐震性にすぐれたものとすることができる。」

【正解:×

◆屋根などの重さ

 屋根を重い構造にしたり,構造部材の断面積を大きくすれば,地震の振動には弱いものになります。

3.「仕口及び継手はできるだけ金物等で補強することにより,木造建築物の耐震性を向上させることができる。」

【正解:

◆仕口及び継手

 仕口及び継手は接合部なので,金物などで補強することにより,耐震性を向上させることができます。

●建築基準法施行令
(構造耐力上主要な部分である継手又は仕口)
第47条
 構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締、かすがい打、込み栓打その他の国土交通大臣が定める構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない。この場合において、横架材の丈が大きいこと、柱と鉄骨の横架材とが剛に接合していること等により柱に構造耐力上支障のある局部応力が生ずるおそれがあるときは、当該柱を添木等によつて補強しなければならない。

2  前項の規定によるボルト締には、ボルトの径に応じ有効な大きさと厚さを有する座金を使用しなければならない。

4.「木造建築物の壁は,構造用合板等の厚みのある面材を打ちつけたり,筋かいを設けることにより,地震による水平力に対する耐力を増加させることができる。」

【正解:

◆壁−構造用合板と筋かい

 木造建築物の壁は,構造用合板等の厚みのある面材を打ちつけたり,筋かいを設けることにより,地震による水平力に対する耐力を増加させることができます。

●建築基準法施行令
(構造耐力上必要な軸組等)
第46条  構造耐力上主要な部分である壁、柱及び横架材を木造とした建築物にあつては、すべての方向の水平力に対して安全であるように、各階の張り間方向及びけた行方向に、それぞれ壁を設け又は筋かいを入れた軸組を釣合い良く配置しなければならない。

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