税法その他 実戦篇

登録免許税の過去問アーカイブス 平成14年・問27


不動産登記に係る登録免許税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成14年・問27)

1.「土地の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率は,移転の原因にかかわらず一律である。」

2.「土地の売買に係る登録免許税の課税標準は,売買契約書に記載されたその土地の実際の取引価格である。」

3.「土地の所有権の移転登記に係る登録免許税の納期限は,登記を受ける時である。」

4.「土地の売買に係る登録免許税の納税義務は,土地を取得したものにはなく,土地を譲渡した者にある。」

【正解】

× × ×

1.「土地の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率は,移転の原因にかかわらず一律である。」

【正解:×参考・平成15年問27肢3,

◆移転登記・登記原因

 所有権の移転登記に係る登録免許税の税率は,移転の原因によって異なっており,一律ではありません。

 所有権移転の原因  課税標準  税率
 相続・法人の合併による  不動産の価額  4/1000
 贈与・遺贈・その他無償名義による  20/1000
 <建物>売買による  20/1000
 <土地>売買による  10/1000

※法定相続人への遺贈は,4/1000。

※土地の売買による移転登記は,平成23年3月31日まで,10/1000。⇔建物の売買による移転登記は20/1000。

※共有物の分割による移転登記もありますが省略しました。

※住宅用家屋〔50平方メートル以上〕の『売買又は競落による所有権移転』では,3/1000とする軽減税率が適用されます。

2.「土地の売買に係る登録免許税の課税標準は,売買契約書に記載されたその土地の実際の取引価格である。」

【正解:×昭和57年,平成14年

◆課税標準

 不動産の売買での登録免許税の課税標準は,当該登記の時の価額ですが,この価額は当分の間,固定資産課税台帳に登録された当該不動産の価格を基礎として政令で定める価額によることができるとされています。(登録免許税法・附則7条,施行令附則3条)

 したがって,<実際の取引価格>ではありません。⇒昭和57年に同一出題

固定資産課税台帳に登録された価格のない不動産では,類似する不動産で課税台帳に登録価格のあるものの金額を基礎として当該登記に係る登記機関が認定した価額です。(施行令附則3条)

●課税標準たる不動産の価額
 固定資産課税台帳に価格が登録されているとき  その登録価格
 固定資産課税台帳に価格が登録されていないとき  登記機関が認定した価額

3.「土地の所有権の移転登記に係る登録免許税の納期限は,登記を受ける時である。」

【正解:昭和63年,平成14年

◆納期限

 登録免許税を納付すべき期限は,登記の場合は,当該登録免許税の納付の基因となるその不動産の登記を受けるときです。(登録免許税法27条1号)

4.「土地の売買に係る登録免許税の納税義務は,土地を取得したものにはなく,土地を譲渡した者にある。」

【正解:×昭和63年,平成8年,14年,

◆納税義務者

 登録免許税は,登録免許税法の別表第一に掲げられている登記・登録・特許・免許・許可・認可・指定及び技能証明〔これらを「登記等」という。〕について課するもので(登録免許税法2条),登記等を受ける者は登録免許税を納める義務があります。

共同申請の場合

 当該登記等を受ける者が2人以上あるときは,連帯して納付する義務を負います。(登録免許税法3条)

 売買による所有権移転登記の場合の納税義務者は,登記義務者〔売主〕と登記権利者〔買主〕であり,連帯して納税する義務を負います。→平成8年出題

 抵当権設定の登記の場合の納税義務者は,登記義務者〔抵当権設定者〕と登記権利者〔抵当権者〕であり,連帯して納税する義務を負います。

単独申請の場合

 所有権保存の登記のように単独申請による場合はその申請人が納付義務を負います。


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