建築物に関する次の記述のうち，正しいものはどれか。(平成12年・問50)

２．「鋳鉄は，曲げ，引張り等の強度が低いため，建築物の材料としては一切使用してはならない。」

４．「木造建築物の柱は，張り間方向及びけた行方向それぞれについて小径を独立に算出したうえで，どちらか大きな方の値の正方形としなければならない。」

【正解：○】

◆組積造−はね出し窓・はね出し縁

　組積造〔れんが造・石造・コンクリートブロック造 (補強コンクリートブロック造を除く) 〕の壁の開口部は，建築基準法施行令で，構造強度を保つために，いくつか定められています。

　はね出し窓又ははね出し縁についても定められており，鉄骨又は鉄筋コンクリートで補強しなければなりません(建築基準法施行令57条４項)。

２．「鋳鉄は，曲げ，引張り等の強度が低いため，建築物の材料としては一切使用してはならない。」

【正解：×】

◆鉄骨造−鋳鉄

　鋳鉄は，圧縮応力または接触応力以外の応力が存在する部分では使用できませんが，他の部分では使用を禁止されているわけではありません(建築基準法施行令64条)。

【正解：×】

◆木造−継手・仕口

　継手・仕口は木材を接合する部分なので，意匠よりも強度を重視しなければなりません。

　建築基準法施行令でも，構造耐力上主要な部分である継手・仕口はその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならないとしています(建築基準法施行令47条１項)。

４．「木造建築物の柱は，張り間方向及びけた行方向それぞれについて小径を独立に算出したうえで，どちらか大きな方の値の正方形としなければならない。」

【正解：×】

◆木造−柱

　鉄は構造耐力上主要な部分である柱の張り間方向・けた方向の小径は、施行令で定めらていますが，正方形になるように定められているのではありません(建築基準法施行令43条１項)。